大腸憩室症

大腸の筋層が薄くなったところから粘膜が腸管の外側にむかって袋状に飛び出した様になったものです。この袋状に飛び出したところに便が入り込みます。入り 込んでも、普通は腸管の蠕動運動でまたでてきます。入り込んだまま、出てこなくなると、炎症が起こって痛みが起こります。歩くと、ひびいて痛みを感じるこ とがあります。日本人は元々、盲腸周辺に憩室が出来ることが多く、虫垂炎と区別が付きにくい場合があります。


左の図は憩室の断面図です。小さなものは筋層の中でとどまるものから、大きなものは大きく腸管外へ突出しているものもあります。



内視鏡の所見です。くぼんだところが憩室の入り口です。憩室から便が出てしまって、空っぽの状態です。小さな憩室で、筋層内にとどまる位のものは内視鏡で は見えないことが多いです。



同じく内視鏡の所見です。憩室の中に入り込んだ便塊が見えています。



注腸透視の所見です。S状結腸から下行結腸にかけて多数の憩室が見られます。憩室症の診断は内視鏡よりも注腸透視の方が、全体像を描出できるのでよくわか ることが多いです。


治療

憩室症の症状は腹痛です。腹痛が起こっていない憩室症はなにもせずに経過観察のみで充分です。

腹痛があっても、大部分は抗生剤と安静でなおります。腹痛は治りますが、憩室そのものは消えて無くなることはありません。一回でも憩室炎を起こした 場合は、何回でも炎症を起こすことがあります。出来るだけ食物繊維の多いものを食べて、常に便通を整えておくように心がけなければなりません。ブドウの種 の様な、小さくて硬いものは憩室の中に入り込んだら出て来にくい場合がありますから、出来るだけ飲み込まないように気を付けることも大事です。

毎年、何回も腹痛があり、仕事を休むことが多くなれば、憩室がある腸管を手術で切除しなければなりません。こじれた場合は憩室炎が穿孔して、腹膜炎 になることもあります。毎年何回も憩室炎を起こしている場合は穿孔する前に手術するのが安全です。

憩室がたくさんあっても、癌の様な悪性の病気になることはありません。

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